先生のためのアイディア帳

効果的な指導法やエトセトラについて

「学齢の子どもが学問をする気になるか問題」について

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こんにちは。

 

運転の練習がてらあちこち出かける&就職活動を進める&英検の勉強が気にかかる傍ら、教採の勉強も少しずつ(本当に少しずつ)進めている今日この頃です。

 

教採の勉強に関しては、まったく頭に入ってこない事項がかなりある一方、心を占拠してしまうような事項もあり、今日はそのことに関連させながら少しだけ。

 

私の心を占拠してしまうような事項。詳細には述べませんが、それらの事項について考えていると、「学齢の子どもであることって大変」という以上に言葉が出なくなります。毎回の授業開始時に、ただ真っ直ぐに「さあ、学ぶぞ」と思えている子がいたらそれこそ奇跡ではないかと思えてきます。

 

「学齢の子どもであることって大変」と私が思うに至ったあれこれを単純化させるために、マズローの「欲求の段階構造説」を引き合いに出してみます。

f:id:ednotes:20190627194528p:plain(引用元:https://jibun-compass.com/maslow

 

『教職教養の要点理解』によると、この図は「低次の欲求が満たされないとそれより高次の欲求の充足が困難になる」ことを示しているのだそうです。マズロー自身も述べているとおり、この順番が前後することもあるのですが、中高を教えてきた経験の中では、私はこの図で説明できるような事例をたくさん見てきた気がします。

 

私立学校に勤めてきたためか、「生理的欲求」が満たされていない生徒は直接知っている中にはいなかったのですが、それ以上にある4つの欲求に関しては、ほぼ全員と言っていいくらいの生徒が多かれ少なかれ満たされないものを感じながら学校生活を過ごしていたと思います。

 

そして、さらには、学校というのは集団生活の場。自分が自分の満たされない欲求をなんとか満たそうとしている隣で、別の30人が同様に彼らの満たされない欲求を満たそうとしているわけです。学年単位や課外活動単位、学校単位になるとこれが何百人とか千何人とかいった規模になりえます。これはちょっとした修羅場かと。

 

教育関連でマズローのこの図が引用されるとき、必ずしも「これら5つの欲求がすべて満たされていないと、とても落ち着いて学問などできない」ということを言いたいわけではないだろうと思うのですが、でも、これらの欲求の中にあまりにも満たされていないものがある場合、それはその子どもが学問をするのを妨げるだろうと思えます。

 

同じ制服を着て同じ教科書を開いて同じ教室の中に座っていると、子どもたちが一様に準備万端整って授業に挑んでいるように見えることがあるかもしれませんが、それはおそらくありえないことで、彼らは一人ひとり全然違っていて、それぞれが大小の葛藤を抱えながらその日その日をサバイブしているのだと思います。授業中が休み時間で、休み時間がその子にとっての本番である子どももいれば、学校にいる時間自体が丸々休み時間で、学校の外にいる間がその子にとっての本番である子どももいるのだろうと思います。

 

私はこっそり、自分の授業を通じて生徒一人ひとりが「所属と愛情」「自尊」「自己実現」の欲求を0.01ミリでも満たしていくことができたら、と願ったりしながら授業をしています。生徒指導を通じてはもちろんなので、授業を通じてもそれができたら、と。

 

ちょっと想定外に説教臭くなってきている気がするので、このあたりで終わってみます。それではまた次回まで。

 

Happy teaching, my friends!!

 

参考:

マズローの欲求5段階説をこの上なく丁寧に解説する。あなたの欲求はどのレベル?」https://jibun-compass.com/maslow

『教職教養の要点理解』https://amzn.to/2X4cCHV

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