先生のためのアイディア帳

効果的な指導法やエトセトラについて

教育

東京の子と地方の子は違うのかもしれない。

Unsplashの Janko Ferlič 東京都を離れ、地方の公立中学校で働き始めてから一年が経とうとしています。「子どもはどこへ行っても同じ」と感じる一方で、「東京の子と地方の子は違うのかもしれない」と思うこともあり、これは私にとっては一つの発見でした。 …

「正解」の保護者対応とは

こんにちは。 今日は教員のウェルビーイングについて書いてみます。特に、私が教員のウェルビーイングのカギだと思っている「保護者との信頼関係」に焦点を当てて書いてみたいと思います。 なお、「ウェルビーイング(well-being)」の定義は以下の通りです…

古今東西、成績のつけ方。

今年の4月から新しい自治体で働いています。 新しい自治体には「新しい常識」があって、何をしていても新しいやり方に出会うものです。授業のやり方、学級運営のやり方、学校行事や生徒会活動のやり方から、部活動の位置づけ、教員間での意思決定の流れ、教…

小学校の先生に元気をもらった話

Photo by Jerry Wang on Unsplash 今年度(2023年度)から新しい自治体でまた公立中学校教員として勤務しています。首都圏から地方に移ったのでその違いなのか、この4か月間で参加した研修会はすべて小学校の先生方と一緒でした。他にも、職場の同僚に小学…

オールイングリッシュの授業も「i+1」で

Photo by Colin Watts on Unsplash こんにちは。 英語科の先生方、2022年度末現在、授業はすべて英語でなさっていますか? 私はALTと一緒のとき以外は、恥ずかしながら、ノーです。ですが、この間たまたま自分だけの授業時にオールイングリッシュで1時間通す…

時間の余裕と心の余裕とteachable momentsと

Photo by Robert Collins on Unsplash 自分の英語の授業の見直しができる気配がない。もちろん、そこそこ考え抜いた結果として今の授業がある。 でも、もっと生徒が学べるように変えたい。(管理職は授業観察はしてもその後助言をくれはしないので、)やはり…

公立学校という社会インフラ

特別お題「わたしの2022年」 Photo by NASA on Unsplash 年初ですが、2022年のふり返りから。 公立中学校の教員になって3年目。やっと得心したことがありました。この職業が社会インフラの一部なのだということです。(遅) 公立小中学校のもつ社会インフラ…

2021年をふり返って ~デジタル教科書と一人一台端末と私~

Photo by Manny Becerra on Unsplash 2021年が終わろうとしています。 私にとっては、「いい授業をするには覚悟が要る」ということを一段と身に染みて感じた1年でした。 校務もある、学級運営もある、学年の仕事もある、行事の準備もある、生活指導もある、…

「情報モラル教育」の目標を具体化しようとしてみる

こんにちは。 今日『学校アップデート』を読んでいたところ、デジタル・シティズンシップに関係し得る話題が少し出てきていたので、これを機に重い腰を上げて、(私に有用な)情報をこちらにまとめることにしました。 というのも、ICT後進校である我が勤務校…

授業担当コマ数についての小言

こんにちは。 「当事者の方が声を上げてくれないと変わらない」とたかまつななさんがおっしゃっているので、声を上げてみます。 過労死で亡くなる先生が後をたちません。#先生死ぬかも ではなく、実際にはもう先生死んじゃっているなのです。先生は、過労死…

【COVID-19】1学期をふり返る【中1担任・中1英語・ICT】

Photo by Annie Spratt on Unsplash こんにちは。 タイトルの通り、1学期をふり返ってみたいと思います。熱中症対策と感染症対策とで他にすることもないので、ようやく重い腰を上げるに至りました。怠惰。(忙しさしかない学期中に参考文献に当たりながら日…

Google Formsを使って小テストをしたらいろいろwin-winだった話

こんにちは。 1か月ほど前に、私史上初めてGoogle Formsを使った小テストを実施しました。「小テストの作成・採点・成績処理にかかる労力」「フィードバックの早さ」「小テストを受けることを通じて生徒たちが得る学び」を総じて考えてみて、成功だったと思…

EdTech導入・運営のためのチェックリスト

Photo by Daria Nepriakhina on Unsplash EdTechデバイスやアプリやサービスの導入・運営を新たに始めるときは、本来であれば、綿密な準備期間が必要となります。 こちらの記事中では、たとえば、大学のオンライン授業であれば、準備に通常は6~9か月ほど…

オンライン授業を昨年まで受けていた私が最高だったオンライン授業を紹介してみる。

こんにちは。 さて、5/7(木)からの学校再開が実際に可能なのか見当もつかない中、「オンライン授業」についての議論が活発になってきています。遅ればせながら、私にももしかしたらシェアできることがあるかもしれないと、このエントリーを書いています。…

「宿題が出せない生徒」とスケジュール管理

こんにちは。 今日は唐突に始めたいと思います。 同じ時間に同じ教室にいても、生徒が見ているものと教員が見ているものとはだいぶ違います。同じ時間に同じ教室にいたとは到底思えないほど、かけ離れることもありえます。 生徒と教員の間にあるこの「見えて…

生徒が授業中に寝なくなるアプリ

Photo by Jordan Whitt on Unsplash こんにちは。 突然ですが、先生方が授業をしている最中に寝てしまう生徒はいますか? 教える側がいい授業をする準備ができていても、教わる・学ぶ側が寝ていたらジ・エンドです。もちろん無理やり起こすことはできますが…

spaced learning:「学習内容の定着には繰り返しが不可欠です」という当たり前の話

こんにちは。 1月に入って高3の授業がなくなったため、空きコマが6つ増え、その準備や小テストの採点などにかけていた時間も空き、毎日17時前に帰れるようになるという奇跡が私のもとを訪れています。 3か月後には新しい学校で今を振り返って泣いていること…

ゴールはどこだ:最大多数の最大幸福を願って学習目標を設定すると授業がつまらなくなる可能性について

Photo by Anisur Rahman on Unsplash 2020年ですね。今朝はロカルノ先生の投稿を読んで「今の高1、高3で成人なの、マジで…」と思ったり、日曜討論を見て「国民投票のときCM流すの、マジで…」と思ったり、2019年から話題になっている出来事すら全然追えていな…

『未来の先生展2019』に参加してきました:「道徳読み」との出会いなど

こんにちは。 先々週の土日は『未来の先生展2019』に参加してきました。今の学校では土曜日が研究日なのですが(私立で授業が週6日ある)、研究日を研究のために使えるというのは本当にうれしいです。 前任校に勤めていた時は、「採点」「テスト作成」「授業…

【体験レポート】31年度東京都公立学校教員採用候補者選考(第二次選考・実技(英語))

Photo by Jaison Lin on Unsplash 各地での台風の影響が報道されている朝です。おはようございます。皆様どうぞご無事でお過ごしください。 今朝は午前2時台に風の音で目が覚め、その後も風雨の様子が気になったり、通勤時間を早めようなどと思ったりしてい…

高額な研修会への愚痴と読んでよかった本のこと(マット・カーター『なぜあの人は、中学英語でもネイティブと仕事ができるのか?』)

Photo by Kate Kalvach on Unsplash こんにちは。 前回のエントリーで書いたような生活を送っているところで、夏期講習も終わったため、今日から一点の曇りもない正真正銘の夏休みを過ごしております。宿題もない、仕事もない、何もない夏休みなんて人生で初…

英語科の授業準備の流れの一例

Photo by Sai Kiran Anagani on Unsplash こんにちは。 夏期講習真っ只中の先生方も多くいらっしゃることと思います。先生方、生徒たちともに、水分補給を忘れないようお過ごしください。 かくいう私も、1学期終業式の直前からある学校に雇っていただくこと…

【体験レポート】31年度東京都公立学校教員採用候補者選考(第一次選考)

Photo by Ben Mullins on Unsplash こんにちは。 タイトルの通り、おととい第一次選考を受験してきました。英検のような試験と違って、受験後にツイッターを見てもあまり受験者がいろいろ言っているのを見かけませんが、どうも易化したのだろうという感じが…

「学齢の子どもが学問をする気になるか問題」について

こんにちは。 運転の練習がてらあちこち出かける&就職活動を進める&英検の勉強が気にかかる傍ら、教採の勉強も少しずつ(本当に少しずつ)進めている今日この頃です。 教採の勉強に関しては、まったく頭に入ってこない事項がかなりある一方、心を占拠して…

VRと「失敗できる」練習:『駐車の達人4』への感謝とともに

こんにちは。 朝乃山関、おめでとうございます! さて、私がバックでの駐車ができなくて困っていることは前回のエントリーで書いたとおりなのですが、ここ数日で何をどうすればどうなるのかがけっこうわかってきて、とりあえず白線の中に車を収められるよう…

セントラル・デザイン(Central design)とは何か

こんにちは。 月日の経つのは早いもので、5月ももう後半ですね。前回の更新から今日までの2か月の間に、UBCでの修士課程を修了し、1年8か月間住んだカナダを離れ、日本へ帰ってきました。2020の3月までは非常勤講師としてどこかの学校に置いてもらえたらと思…

フォワード・デザイン(Forward design)とは何か

こんにちは。イチロー引退のニュースに驚いています。 さて、今回はタイトルのとおり、「フォワード・デザイン」について、以下のような順で書いてみたいと思います。 フォワード・デザインとは何か フォワード・デザインの利点 フォワード・デザインの弱点 …

Kaplan’s doodles:文化別の物事の論じ方

こんにちは。 いきなりですが、やー、「人に理解して読んでもらえるように物を書く」って全然簡単じゃないですね。ここ2か月ほど身に染みてそう感じています。そんなわけで、今回のテーマは「物事の論じ方」です。 「人に理解して読んでもらえるように物を書…

生徒にすべてを任せるのがアクティブ・ラーニングではない件について

こんにちは。 今日は「アクティブ・ラーニング」「生徒主体の学び」「探究型学習」等々と呼ばれるものを実現するために必要なのは「生徒にすべてを任せること」ではない、ということを書きたいと思います。 やすてる先生のこちらのツイートを拝見して、 生徒…

コンピテンシーを育成する指導:「生徒の学びを促進する評価」のすばらしい例(2)

こんにちは。 昨日Education WeekのTesting For Real-World Performance(Real-World Performanceが意味するものが大きすぎるのですが、頑張って訳すと「実社会で活きるパフォーマンスを伸ばすための評価」といった感じでしょうか)というタイトルのウェビナ…